今まで日記的な記事を書いたり、過去作の供養投稿をしたりしていましたが、ぼちぼちとブログ用の完全新作の企画に移りたいと思います。今年の十月から来年の三月までは、新人賞用の作品の企画や執筆などに当てたいので、九月までに最低一本はこのブログに掲載したいです。

「ブログ小説で稼ぐ」という挑戦を本格化するために、「有言実行すべし」というプレッシャーを感じつつもこうして公言することでやる気を増したいと思います。

昨日ブログを復旧できたので、現在の心境を書いておきたいと思います。

ブログを表示できない状態が続いている間、一人で延々と調べたり、ドメインやサーバーの設定をいじったりしていたのですが、解決方法は分からずじまいでした。
よって、数日前からドメイン業者やサーバーの管理会社に問い合わせて、やっと原因を特定して対処できました。

そのことを踏まえて思うのですが、特に未経験のことに挑む際は、素直に人に頼ったほうがいいと痛感します。
ブログが閲覧できなかった期間は二週間ほどだったと思いますが、もっと早く問い合わせをしていれば復旧ももっと早かっただろうと、正直なところ後悔しているのです。

このブログの運営にあたり、未踏のジャングルを鉈で切り開きながら進むようなしんどさを感じていますが、同時に「道が開ける」楽しさも感じているので、めげずに継続していきたいと考えます。

 ばんっ!
「――我らがカバディ部、ゲートボール部、サバゲー部は、存続の危機にあるっ!」
 黒板を叩きながら、剣崎先輩は怒鳴りました。
「せっかく、同好会から部になったのに……」
 剣崎先輩の背後の黒板の『カバディ部・ゲートボール部・サバゲー部合同会議 ~部員獲得戦略および夏休みの活動方針~』という文字を見ながら、僕はため息を吐きました。
 あの学校説明会から五日後の金曜日、終業式の日の放課後。僕たちは、空き教室でまた会議をしていました。窓の外には、吸い込まれそうなほど青い空と立ち上る入道雲が見えます。
 じわりと汗がにじむ程度の熱気をため込みつつ、全開にした窓やドアからそよ風を取り入れる教室、そこに僕たちが机を固めて作った席で、
「私たち、この前のパフォーマンスで有名になったのに……。どうして、部員が増えないんでしょうね?」
 僕の向かい、左前にだらっと座る門脇先輩が、自分を下敷きで煽ぎながら首を傾げます。
 彼女の言う通り、僕らは今や学校中の、下手すれば県内一帯の有名人です。この前の学校説明会の様子がローカルのテレビ局で放送されたほか、学校の公式ブログに掲載されたり、生徒会役員や先生がたや説明会に来た中学生などから口づてに広まったりしたのです。
 しかし、これまた門脇先輩の言った通り、部員は増えていませんでした。
「あれから数日で、急に増えるわけがないよ。練習場所もまだ学校や他の部と交渉中だし、練習風景を普段から見てもらわないことにはな」
 僕の左隣の関元先輩は、門脇先輩の疑問に答えました。そして彼は「まあ、もうしばらく少人数でもいいが……」とつぶやきながら、門脇先輩に熱い目線を向けます。しかし、きょとんとした表情で首を傾げる彼女のリアクションに、関元先輩はため息まじりに目を伏せました。
 あの勝負の後、関元先輩は勇気を出して「付き合ってくれ」と門脇先輩に告白したそうです。しかし「いつも、部活で付き合ってますけど……?」という明らかに脈のない返事を返され、それ以上の深追いは避けたそうです。彼の春は遠いですね。
「それにマイナー競技だから、色物のイメージが抜けねぇってのもあるかもな」
 関元先輩の左隣の四方谷先輩が廊下に目をやり、僕もつられてそちらを見ます。廊下を行き交う生徒という生徒が僕らを見て、何やら楽しそうに話している姿が、開け放したドアや廊下側の窓から見えました。とはいえ、彼らはあくまで僕らを遠巻きに見ているだけで、こちらに入ってこようとはしません。
「だけど、小梅さん! 獲物が向こうから来ないなら、こっちから仕留めに行けばいいんです!」
 四方谷先輩の正面に座る兼光さんは、拳を握って力説します。四方谷先輩は一度身震いしたものの、「そうだな、未仁美」と彼女に同意しながらうなずきました。
「その『仕留めに行く』戦略を、今日はみっちり話し合うぞっ! なにせ今から夏休みで、それが終われば私や四方谷さんら三年生はすぐ受験シーズンだっ! 新入部員を獲得し、来年につなげるチャンスはあとわずかだっ!」
 剣崎先輩が暑苦しくまくし立てながら、暑苦しく顔中に汗をにじませながら、教壇を降ります。彼女は、僕の正面の空いた席にどかっと座りました。
「元気ですねえ、剣崎先輩。その姿を見てるだけで、僕は楽しいですよ」
 僕はうっかり、今の議論と関係のないことを口走りました。
 すると周りの席からは「おっ?」という声が漏れ、そして剣崎先輩は、
「……立石くん。どういう、意味だ?」
 真顔で僕を見つめて、固まっていました。
「えっと……」
 僕も剣崎先輩と見つめ合って、言葉に詰まって、そして目を逸らそうとすると、
「圭護くん」
 教室の出入口から、嫌にねっとりとした猫なで声が聞こえました。
 僕たちは一斉に、弾かれたようにそちらを見ます。
「あ、お邪魔します。ちょっと、圭護くんと話させてもらっていいですか?」
 早苗姉えが、肩にかかった髪を手で後ろに流しながら、教室に入ってきました。この暑さの中、汗一つかいていない彼女の涼しげな笑顔が、爽やかなのに不気味です。
「い、いやあ早苗姉え。悪いけど僕たち、今重要な会議で――」
 僕は奥歯をがちがちと鳴らしながら、早苗姉えに答えます。
 早苗姉えは、僕の横に来るなり、膝をついて目の高さを合わせます。
「それから、夏休みはずっと部活に、宿題もあるでしょ? 剣崎先輩のことだから、休み中もずっとカバディやらせるだろうし。今日くらいお休みして、どこか遊びに行かない?」
 早苗姉えは僕の手を取り、あくまで猫なで声で提案してきました。
 ここ数日、彼女はずっとこんな調子なのでした。家で一緒に勉強するときも猫なで声で作ったような優しい態度をとって、無理にやらせる、ということもなくなっていました。両親に対しても、僕は真面目に部活していると説明していて、そのおかげで部活ものびのびとできるようになっています。
 ……それから、スキンシップも若干増えてきた気がします。これはこれで不気味です。
「ねえ、圭護くん? 今までも、剣崎先輩に強引に引っ張られて、嫌じゃなかった?」
「そ、そんなことはないよ、早苗姉え。第一、部活さぼったら、それも早苗姉えも共犯になったら、また父さんと母さんに――」
 僕が早苗姉えに対し、また弁解の言葉を並べようとすると、
「立石くんっ!」
 がたんっ!
 剣崎先輩が、椅子を後ろに倒しながら勢いよく立ち上がりました。
「建前はいいっ! 君自身にとっての、部活する理由を言えっ! 今日杜生さんと遊びに行くのと、私と部活するのと、どっちが楽しいんだっ!」
「「「「私(俺)たちは?」」」」
 剣崎先輩が声を張り上げると、門脇先輩、関元先輩、四方谷先輩、兼光さんが一斉に突っ込んできました。身じろぎする剣崎先輩の頬が少し赤いのは、なぜでしょうか。
「圭護くん?」
 早苗姉えが、僕の手を握る手に力を込めながら、猫なで声で尋ねてきます。すぐ近くの笑顔が、やっぱり不気味です。
「はっきりしろっ、立石圭護!」
 剣崎先輩の声が、飛んできます。
 僕は目を合わせました。両手を腰に当て胸を張る、剣崎先輩と。
「僕は――」
 僕の答えを聞いて、剣崎先輩は力強い笑みを浮かべました。窓の外の、青い空と入道雲を背にしながら。
 僕たちの部活動は、これからです。