「私は、アツパーユ王国の現在唯一の王女、サイン・フォンドゥ・アツパーユと申します」
 謎の美少女ちゃんは、そう名乗りました。
「ふぉ、フォンデュ……? まあいいや、サインって呼んでいいかな? 私は、中仁澤(なかにざわ)未来! 『未来』でいいよ!」
 自己紹介を受けたので、私も自己紹介を返すと、美少女ちゃん――サインは苦笑いしました。少々図々しすぎたでしょうか。
 マンホールから下った私とサインは、下水道を歩いていました。非常事態に備えて私が用意していた、軍用のライト(の、安物のレプリカ)が照らし出す風景は、人二人がすれ違える廊下くらいの広さの通路。その半分が人間が歩く歩道で、一段低くなったもう半分にはもちろん、濃い茶色の下水が流れています。おまけにむわっとした空気も濃縮された異臭を含んでいて、その……。女子には、いろいろときつい環境です。
 それでも、
「それで、未来……。助けてほしい、という話ですが……」
「うん! なんなりとお申し付けください、お姫様!」
 王女、つまりお姫様を助けることに、私のテンションは上がりました。サインはほっとした顔をしながら、話を切り出します。
「私の国では、王族の指導の下、国民みながほどよく働いて生きているのですが……。それでも、生活のための最低限の労働すら嫌う者たちが、中にはいたのです。私の幼馴染の貴族……名はムリラ・スカベンジャーというのですが、彼女が筆頭となって、怠けたい者たちが国を乗っ取り……。他の国民たちを奴隷にしてしまったのです」
「それは許せないね! でも大丈夫! そんな奴ら、私がやっつけてやる!」
 私は怒りに燃える心を抱えながら、しゅっしゅっ、と空いた手でシャドーボクシングをします。サインの表情がまた明るくなったので、私はつい調子に乗りました。彼女の作業着に目を落としながら、
「お姫様が、適当な服で逃げてくるくらいの非常事態だもんね! 急ごう!」
 などと口を滑らせたのですが、
「いえ、未来……。この格好が、我が国の王族の正装です」
「えー……?」
 自分の作業着を示して答えるサインに、また少しテンションを下げられるのでした。


「ここから先が、我が国の領土です。見つからないように、慎重に行動してくださいね」
 下水道の途中で立ち止まり、サインは壁の一か所に手を当てました。私は口をつぐみ、ライトを消灯します。
 ずずっ。ずずっ。真っ暗な中で、ゆっくりとコンクリートが擦れ合う音が響き、壁にできた縦長の切れ目から光が漏れてきます。切れ目がどんどん広がり、人ひとりが通れるくらいの長方形の穴が壁に空いて初めて、サインが隠し扉を開けたのだと理解しました。ライトをリュックにしまって、はやる心を抑えながらそこをくぐると、
「おお……!」
 その先にあったのは、コンクリート張りの広大な空間でした。広さは三十メートル四方ほど、よくある学校の体育館二つ分くらいでしょうか。そこかしこに太いコンクリートの柱が立ち並び、ある種の荘厳な雰囲気が出ています。壁も床も天井もほどよく汚れたりひび割れたりしていて、廃墟マニアが大喜びしそうです。
 そうした風景を見ることができるのは、そこかしこに焚かれているかがり火のおかげです。それらに照らされて――
「ん?」
 広間の一角で、椅子のようなものに座っている人間が見えました。サインとともに柱の陰で立ち止まって、そっとのぞき込んでみます。
「痛っ! ……下手くそ! もう少し加減しろ!」
 そんな声を上げたのは、椅子らしき何かに座る、金髪ショートヘアの人間でした。私やサインと年が近そうな女の子で、ロングスカートのワンピースに身を包んだ姿が、作業着姿のサインよりもお姫様らしいです。
 そして、彼女が座っているのは椅子ではなく――四つん這いになっている人間の上でした。遠目には背もたれのように見えたのも、後ろに立って彼女の肩を揉んでいる人間です。おまけに、足元にはもう一人人間がかしずいていて、彼女が前に出した足をマッサージしています。
「貴様らは一般国民の労働を免除されるだけでなく、私に仕えるという褒美を与えられているのだ! もっと精魂込めて奉仕せんか!」
 彼女の偉そうなセリフに対し、どちらがましなのか分からない、という突っ込みを封印して、よく耳をすませば、
「はい……仰せのままに、ムリラ様」「はぁはぁ……ムリラ様」「ムリラ様ぁ……あぁ……。もっとご奉仕させてください……」
 などという、吐息交じりの気持ち悪い言葉も聞こえてきます。どうやら彼らにとっては、彼女への「ご奉仕」が本当にご褒美であるらしいです。
 ともかく、あの金髪の「女王様」的な女の子が、サインの言っていた反乱者のリーダー、ムリラらしいです。その姿に、顔からさっと血の気が引く思いがして、
「さ、サイン! なにあれ!」
 私は思わず、大声を出していました。サインが慌てて口の前で人差し指を立ててももう遅く、
「誰だ!」
 こちらを向いたムリラと、ばっちり目が合いました。彼女の取り巻きたちが慌てて立ち上がり、尻もちをつくムリラに気づかずに、足元に置いていた棍棒を取り上げます。
「さ、サイン! ここは私に任せろ!」
 私は彼女を柱の陰にかばいますが、その叫びでサインの存在も敵に知らせてしまったらしく、
「ほぅ……。やはり戻ってきたか、サイン。貴様ならここから入ってくると思っていたが、それは正解だったようだな」
 涙目でお尻をさすりながら、ムリラは立ち上がりました。彼女曰く、ここでサインを待ち受けていたらしいです。その割に、さっきはくつろいでいたようにしか見えませんでしたが……。
 ともかく、敵に見つかった以上、戦うしかありません。最初から、そのつもりでここに来たのですから。
「そこの貴様! サイン王女が側にいるであろう! おとなしく投降して、王女を引き渡すならば、悪いようにはせぬ!」
 取り巻きたちの背後から、片手を腰に当てて偉そうにこちらを指さすムリラに対し、
「やだね! こんな序盤も序盤で、ヒロインを見捨てられるか!」
 私は両拳を握り、ファイティングポーズをとりました。いかにも戦闘開始なシチュエーションに、胸が高鳴ります。
「ねえサイン! こんなとき、チートスキルが発現したりするんだよね? よくあるウェブ小説みたいに!」
「ち、ちいと? うえぶ? 何の話をしているのですか、未来?」
 サインはかなり困った顔をして、首をかしげます。
「え? なんて言うか、ここはある種の別の世界で、私みたいなよそ者が都合よく大暴れできたりするんじゃないの?」
「話が、見えないのですが……。その、申し訳ありません、未来。あなたがあまりにも自信満々なので、戦うお仕事の人間なのでは、と思ったのです……」
 そう言ってしょげるサインに対し、
「それを早く言え! 私はただの高校生だよ!」
 都合のいい展開を勝手に期待した自分の責任を棚上げして、私は頭を抱えるのでした。
「貴様ら、何を話している! ――もういい! 者ども、かかれ!」
 しびれを切らしたムリラの命令で、彼女の取り巻き三人が手に手に棍棒を持って一斉に襲い掛かってきます。原始的な武器でも、女の子一人始末するには十分です。
「未来! 逃げて――」
「たまるかよ! ちくしょー! この中仁澤未来、ただではやられんぞー!」
 サインの制止を振り切り、私は半泣きになりながら突撃していきます。もうやけです。格闘技経験は学校でやった柔道くらいですが、今こそネットから拾った格闘術の知識が生きるときです。
 一番前に来ていた取り巻き、私より頭一つ分は背の高い奴が、棍棒を振りかぶりました。武器を「振り回す」攻撃に対しては、まず攻撃範囲の内側に入るのがセオリーです。私は両腕で頭を守りながら、敵の懐に飛び込んで――
 どーん!
「ぐえっ!」
「あ、あれ?」
 それだけで、敵はあっさりと吹っ飛びました。仰向けに倒れ、手足をひくひくさせる仲間の姿を見て、他の敵二人が足を止めます。
 身長は百六十五センチと女子にしては大きめですが、体重は××キロ(乙女の秘密です!)しかない私に当たり負けするということは――
「ひょっとして――アツパーユ人って、弱い?」
 私が残った敵二人を指さすと、彼らは身をすくめました。よく見れば彼らの肌はいやに生白く、身体もひょろひょろです。日光や栄養や運動が足りていないのでしょうか。
「くっ、化け物め! 私は増援を呼ぶ! 貴様らは、せいぜい時間を稼いでおけ!」
 身をひるがえして逃げるムリラに偉そうに命令され、彼女の取り巻き二人は健気にもかかってきましたが――まあ、結果は最初の一人と同じでした。


 大広間を出て、延々と赤茶けたコンクリート張りの通路や小部屋ばかりが続く空間で、
「く、曲者だぁ! 出会え出会え!」
 ムリラはほとんど悲鳴のような声を上げながら逃げ回り、それを私は追います。彼女が逃げ込んだところにいた敵たちが、私を見るなり襲い掛かってくるのですが、
「えいっ」
 ばきっ!
「ぐあぁー!」
 ある敵は、見よう見まねの私の右ストレートで倒れ、
「やあっ」
 どすっ!
「ごはぁー!」
 ある敵は、私が勢い任せに繰り出した前蹴りで吹っ飛び、
「ちぇすとぉ」
 どんっ!
「「「「「ぎゃあぁー!」」」」」
 数人がかりでかかってきた敵たちも、私が適当に突き飛ばすと、将棋倒しで一網打尽になりました。
 そんな調子で敵を倒しながら追いかけて、私はとうとうムリラをとある通路の行き止まりに追い込みました。
「だっ……誰か! 誰かおらんのか! 今この曲者を討てば、一週間私の椅子になる栄誉を与えようぞ! 誰か――」
 ムリラは涙目になって叫びますが、私が後ろを振り返っても、特に他の敵が追ってくる様子はありません。今まで倒したのは三十人程度ですが、それで全部でしょうか。「女王様」に仕える趣味のある特殊な人間の数として、多いのか少ないのかよく分かりません。
 というか、その程度の人数で支配できる人口といい、今まで駆け回ってきた空間の狭さといい、意外と小さい「国」だなぁ……と、私がげんなりしていると、
「ここまでか……! このムリラ・スカベンジャー、これ以上生き恥をさらす気は毛頭持たぬ! いっそ一思いに――」
 そんな武士か何かのように潔すぎるセリフを、真っ赤になった顔をくしゃくしゃにしながら言うムリラがかわいそうと言うか可愛かったので、私は彼女にすたすたと歩み寄り、
「えいやっ」
 肩の関節を極めて、ムリラをうつぶせに床に倒しました(恐ろしく簡単に倒せました)。そして、万一の事態に備えて持っていたプラスチック手錠――代わりの結束バンドで、彼女の両手首を拘束します。
「な、何をする! アツパーユ王国の真の支配者たるべき私に、いかなる辱めを――」
 なおも抵抗する彼女の言葉を遮り、
「あー、その……。人間、生きてればやり直せるからさ。人生これからだって。私から王様やサインに、悪いようにしないでってお願いするから……投降してくれない?」
 私は彼女を立たせて、歩かせました。ムリラはますます顔をくしゃくしゃにして、涙をぼろぼろと落としながら、
「うぅ……。覚えてろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
 地底中に響き渡りそうな声で、叫んだのでした。


 王様の親衛隊(役立たずなりに、一応いたらしいです)と協力してムリラや取り巻きたちを牢屋にぶち込み、玉座の間(ちょっと清潔な、広めの部屋です)で王様、つまりサインのお父さん(サインと同じで作業着姿のおじさんです)に大げさで長ったらしい誉め言葉をいただいてから時計を見ると、地上でサインと出会ってからまだ一時間ほどしか経っていませんでした。
 もっと数日単位の大冒険を期待していたのですが、一気に気力が萎えました。このまま帰りが遅くなって、後で両親に怒られてまで長居する気はしません。
 お礼に夕食会を開く、という王様の申し出を辞退し、玉座の間を出ようとすると、
「未来! もう帰るのですか?」
 サインが私の手を取って、引き留めてきました。
「帰るよ。地上にも、大事な大事な用事があるからさ」
 そう言って歩き出そうとすると、サインの手に少し強く力が入ります。
「なら私からも、せめてお礼だけでも言わせてください。……その、助けていただいて、ありがとうございました。あの反乱者たちは、我が国の中でも屈強なほうの者たちだったのに、勇敢に立ち向かってくれて……。私は、そして我が国は、あなたという英雄を永遠に忘れることはありません」
 私は振り返り、そんな大げさな、と言おうとしました。しかし、頬を染めて、じわりと目尻に涙を浮かべた彼女の温かい笑顔を見てから、
「……ま、私も君のこと忘れないと思うよ。多分」
 彼女の手を、そっと握り返しました。
「やはり貴殿は、ずっと我が国にとどまり……。サインを幸せにしてくれんかのぅ……」
 王様が、やけににやけながらつぶやいた言葉に寒気を感じてから、私は地上に戻りました。

「――地底から美少女が現れても、いいと思わないかい? ももせくん」
 放課後、下校中。人目の少ない住宅街を歩きながら、私は問いました。
「何の話? ……って、アニメの話か。『空から降ってきた女の子と一緒に大冒険!』ってパターンに手あかが付いてきたから、その逆パターンの作品が見たい、ってこと?」
 私の隣を、ゆるふわショートの髪を揺らしながら歩く友人――ももせは、私の言わんとしていることをくんだ答えを返してくれます。
「その通り! だけど、『現実にそんなことあってほしいなぁ』って話でもあるんだよ! だって地底のほうが、リアルに未知のフロンティアがありそうだし、美少女も空から落ちてくるよりは安全に出てこれそうだし!」
 私がまくしたてると、ももせは肩を落としてげんなりとしていきます。彼女は、柔らかみのある丸顔を私に向けました。そして黒目がちの目を細め、眉根を寄せながら、
「地底は地底で、美少女というか人間が住むにはいろいろ問題ありそうだけど……。第一、あんたも女だけど、いいの? 未来(みらい)」
 冷静に突っ込みを入れてから、私の名を呼びました。私は思わず、むぐっ、と唸ります。
「い、いいんだよ! ディテールが甘くても、まずは夢を見たほうが面白いじゃん! それに時代のニーズは百合! 女同士で冒険やラヴコメしたっていいの!」
「はぁ……。こんな友達とつるんでるから、あたしには男ができないんだな……」
 ももせはため息をつきながら、額に手を当てました。
「異性に幸せを求めるより、自分自身のわくわくを探しな!」
「そんなの、どこにあるのさ?」
 ももせに切り返されて、私はまたも言葉に詰まりました。そして周囲へ慌てて目線をめぐらせます。
 私たちが今歩いているのは、民家の列に挟まれた、車通りのほとんどない道です。その端にふと目を留めてから、
「そ、そう! 例えばそこから! きっと今に、さっき言ってたみたいに美少女が出てきて――」
 とあるマンホールを指さしながら、目線はももせに向けました。逆に彼女は、私が示す先に目を向けてから、「ん?」と言うように眉をひそめ、
「未来。……そのマンホール、蓋が動いてない?」
 恐る恐るといった感じで、そこを指さしました。「え?」と間抜けな声を漏らしながら振り向くと、確かに――
 かたかた。かたかた。かたかた。
 下から何かに押し上げられているように、マンホールの蓋がかすかに上下していました。つまりこれは、
「美少女が、今まさに出てこようとしてるんだな!」
 ということだと、私は確信しました。「待って! 何か危ないものかもよ!」というももせの声を振り切り、突撃していきます。
「待ってろー! 今助けるからなー!」
 丸い蓋のそばに立ち、そのコの字型の取っ手を引き出して引っ張り上げ、腰を痛めてしまいそうな意外な重量にうんうん唸りながらどうにか蓋をずらすと――
「未来! 危ないって!」
 すぐ後ろに来ていたももせの言う通り、
「おお……!」
 確かに、ある意味とても危ないものが、穴と蓋の隙間から私を見上げていました。
「それ」は一言で言って、とんでもない美少女です。外はねの癖がついた銀色のロングヘアが、マンホールにわずかに差し込む光を浴びるなり、きらきら輝きました。雪のように白い肌は透き通るほど滑らかで、宝石のようなエメラルドグリーンの瞳が、軽く戸惑いの色を浮かべながらも、私に向いています。マンホールの内側の梯子に掴まる身体も、モデルのようにすらりとしていました。……その身を包む服はといえば、なぜかどろどろに汚れた作業着ですが。
「た――」
 謎の美少女は何か言いかけますが、
「ほらな! だから言ったじゃん! 美少女は地底から現れるんだよ!」
 私は興奮のあまり、ももせに振り返って勝利宣言をしました。
「いや、今さっき思いついたことを、長年主張してた持論みたいに言われても……」
 ももせが肩をすくめると、美少女ちゃんが「あの――」と声をかけてきます。
「ああ、ごめんね、話を聞けなくて。困ってるんだよね? いやむしろ困ってて! 私が今助けるから!」
 私は美少女ちゃんの前にしゃがみこんで鼻息を荒げ――彼女の体から漂う、下水のそれらしき濃厚な香りを吸い込んでしまいました。思わず「うっ」とうめきながら、身体をそらしてしまいます。美少女ちゃんも、申し訳なさそうに目を伏せました。
「未来、怪しいってこいつ。こういう時は黙って警察を呼ぶのが筋だって」
 追い打ちをかけるように、ももせが後ろから制服の袖を引っ張ってきます。しかし私も、一生に一度あるかないかの冒険のチャンスを逃したくはありません。
「なんだとう! 困ったときはすぐに公的機関やら文明の利器やらその他便利なサービスや道具のたぐいに頼る! それを当たり前と考える現代人の精神は、むしろ昔の人に比べて衰退してはいないかね!」
 私が反論している途中、「えっと……」という美少女ちゃんのためらいがちな声が聞こえました。
「昔は昔、今は今。現代日本人の、常識的な対応をしようよ?」
「だったら明日は明日だ! 『今』の常識を踏み越えることが、明日を創る――」
 私とももせが、なおも口論していると、
「――助けてください!」
 美少女ちゃんが、しびれを切らしたように叫びました。私が再び向き合うと、彼女の両眼にはじんわりと涙が浮かんでいます。
「……私の大切な人たちが、しいたげられているんです! 今こうしている間も! それと、ここに掴まり続けているのも、少し辛くなってきていて……」
 彼女が言う通り、確かにその折れそうに細い両腕がぷるぷると震えていました。今にも握力を失って落ちてしまいそうです。
 こんな美少女のピンチを放っておいては、女がすたります。よって、
「オッケー! いろいろな意味で緊急事態みたいだし、とりあえず一緒に降りるよ!」
 私が親指を立てて笑顔を見せると、美少女ちゃんの顔がぱっと輝きました。
「ちょ……ちょっと未来! 家の人が心配するよ! それと明日の学校はどうすんの?」
「その辺は、ももせから適当にごまかしといて! とにかく、これ以上の議論は無意味! 行ってきます!」
 私はそう断言して、マンホールに潜ります。ももせの呆れ顔に見送られながら、美少女ちゃんと一緒に地下へと下りました。

本日から、初めてのブログ用完全新作の連載を始めたいと思います。

タイトルは「がっかり地底無双」です。「空から降ってきた美少女に導かれて大冒険」にあこがれるオタクの少女が、地底から出てきた美少女とともに、地底の「王国」で残念な冒険をするお話です。全七話を予定しています。

私用により更新が滞ることがあるかもしれませんが、なるべく毎日更新したいと思います。
よろしくお願いします。